わたしは、父が好きだ。
短気でよく大きい声を出すし
連絡無精だけど(お前もな)
だけどわたしは、父が好きだ。

わたしと父は、わたしが4歳の夏から
共に暮らすということをしていない。

会うのは学校行事、誕生日、クリスマス等々
所謂、”子育てのいいとこ取り”状態だった父。
子供の頃は父に会えるのが楽しみで、嬉しくて
その時間はわたしにとって、日々父親と母親の役割をせねばと気張っている口うるさい母を唯一意識の上で横に置いておける夢の時間だった。
そして母親の元で幼少期、成熟期を過ごしたゆえに、俗に言う”父親嫌悪期”を経験した事がない。
『お父さん、キモい、近寄りたくない、寄らないで。』
『何でお父さんの物と一緒に洗濯するの!』
よく、分からない。
23歳になろうとする今でも、理想の男性は父なのだ。
立派すぎる、ファザコン。もうそれでいい。

父の好きな所は
話を聞いて肯定してくれるところ
ダメな部分はうまく諭しつつ、最終的には応援、褒めてくれるところ、それから、よく笑う。
寡黙だけれど、喜怒哀楽がコロコロ変わるように思う。
わたしはさすがだなあ
いいね、わたし!そういう所、いいよ
わたしはすごいなあ!

わたしにとっては何てことないことでも
すぐにポジティブに変換して
それを伝えてくれる。
きっと、日々近くにいればそうではないのかも知れない。
いや、父の妻に対する態度を見ていても、元々の性格なんだろう。
その言葉に、その笑顔に
わたしはすごく救われている。
まだまだ、娘でいさせてください。
2016年1月30日